ケース1

【駐車場出入口改修】道路と極端な高低差があって駐車しにくいので何とかならないか、伸縮門扉も動きが悪いので取り替えたいと相談がありました。駐車スペースの高低差をなくすには土間を下げるしかありません。土間コンクリート解体撤去から打ち直しと伸縮門扉の取り替えの見積を土工の親方に、伸縮門扉製品の見積は建材屋に依頼しました(分離発注を想定しています)。依頼者様に各見積と私の工事マネージメント料を提示しましたが、現時点では工事を見送ることになりました。理由は、伸縮門扉が使いやすく直ったから。現況調査時に、親方と私で車輪と鎌錠部分の歪みを矯正し、連結部分にシリコンスプレーを掛けました。まだ使えます。余計な出費をする必要はありません。相談料に1万円と修理費に5千円頂きました。 


ケース2

【バルコニー修理】バルコニー正面のサイディングの割れから調査(修理)依頼がありました。バルコニー壁内に雨水が回っていることが考えられます。バルコニーは前が下がっていたので、跳ね出し梁を先端でつないでいる桁は傷んでいても、跳ね出し梁自体は傷んでいないと想定され、解体してみると正にその状況でした。桁を取り換え、柄の似たサイディングを張り、既存の外壁色に合わせて塗装、ほぼ元通りになりました。現調から改修費用の見積手配、工程調整で、工事マネージメント料として工事費の12%を頂きました。工事費は大工さんに直接支払って頂いております。 


ケース3

【浴室洗面室改修】足腰の弱った親御さんのために浴室と洗面を広くしたいとのご相談。1坪程度増築して洗濯機スペースも確保、システムバスは洗い場の広い1220・間口も広い3枚引戸を採用、トイレの開戸も引戸に交換、全て上手く納まりました。詳細図を描いて検討した結果です。増築部分の控え壁に耐震耐風効果が得られるよう合板を使用しました。揺れが少なくなったと感想を頂きました。分離発注のため各業種計10社の見積調整をし、工事費の18%を設計監理費・工事マネージメント料として頂いています。


ケース4

【バルコニー改修】木製バルコニーからアルミ製バルコニーへの改修相談です。長期優良住宅として建てられたこちらのお宅、バルコニーも取り替えを想定し金物を設置していましたが木から木への想定でした。アルミ既成品を設置するにはその金物は邪魔でしかなく、案の定メーカーは撤去すれば設置できますとしか言いません。しかもメーカーの決めた取り付け方をしないと保証から外れますとのこと。メーカー規定の設置方法は、建物にまずコーチボルトで受材を留め付けるというもの。外壁に新たに孔を開けて建物を傷めることをしたくなかったので、邪魔者扱いの金物に既製品バルコニーを受けるための金物を新たに製作して設置し、メーカー保証を外れようが腕のいい職人にアルミ既製品バルコニーを取り付けてもらうことにしました。金物製作のため詳細図を描き、工事マネージメントをして工事費の20%を設計監理費・工事マネージメント料として頂きました。こういった工夫は技術力のある建築士にしかできないと思います。


ケース5

【内装改修】マンション天井壁のクロスの貼替えと、床じゅうたんをフローリングにできたらと内装更新のご相談。一部棚と収納棚を造り付けたいとのことで大工工事を先行して行い、後に内装工事と分けて行いました。ほぼ全体のクロスの貼替えと、床はリビングをじゅうたんから複合フローリング(LL-40)に、水回りはクッションフロアから長尺シートに貼替えました。大きな家具の移動、断捨離と出た処分品の廃棄もお手伝いし、工事マネージメント料を工事費の15%でお願いしました。


ケース6

【キッチン改修】築35年マンション、これまでリフォームしていないキッチン改修のご相談。お客様は「私達の残りの人生で使うだけだから。」と独立されたお子様達が後に使う予定はなく、きれいになればよい程度のお考え。ブロックタイプ(作業台、コンロ台と寄せ集め)からシステムキッチン(カウンターが一枚で継ぎ目なし)への更新を前提に、リーズナブルで唯一のご希望の「コンロ脇スペース30cm」を確保できるメーカーを探し出し、各協力業者の見積を取ってご案内。我々は総工事費の12%を工事マネージメント料として提示。

一方、お客様が気にされていたニトリのキッチンを偵察に。間口寸法が合わないにしても、何だこの安さは!!!?オプション対応部分があるのでこのままの金額で納まるはずはないと思えど、ご案内した見積とはかけ離れていて…。お客様には「ニトリで見積取ってみて下さい。太刀打ち出来ません(苦笑)。」と正直に伝えました。商品は明らかに作りが違うので金額差はあって当然です。職人の手間代の差は、ニトリにスケールメリットがあるからでしょう。「分離発注でリーズナブル」を謳って工事をやってきてますが、考えさせられることになりました。

その後、お客様お忙しくなられて改修は保留のままだそうです。工事に携わらせて頂けなければ、この場合は費用頂けませんかね。